ヴィーガン給食の開始

「完全菜食主義者」肉や魚、卵など動物性食品を一切とらないヴィーガンが注目されている中、初めての試みとして21年5月に東京都内の八王子市にある公立小学校でヴィーガン給食が2月に1回というペースで定期的に開始されました。
アレルギーを持った子供や家庭の方針や宗教などいろんな事情を持った子ども達が、みんなで同じものを食べられると言う喜び。この給食の時間は、他の人が食べるものを尊重し、食べるものを自ら選ぶ大切さを知る、豊かな学びの場になっている。
ヴィーガン給食では豚肉を大豆ミートに、みそ汁のかつおだしを昆布に変更し、ジュースだと牛乳より約50キロカロリー少ないので、大豆ミートを油で軽く揚げたり、みそ汁にじゃがいもを加えたりして、育ち盛りの子どもたちに必要なカロリー量を満たした。大豆ミートにしたことでむしろコストは安く済んだという。今は小麦や大豆、ごまなどにアレルギーがある児童は同校にいないが、状況によって食材などの対応は変えていくという。

「ヴィーガン給食」には、アレルギーや宗教の違いがあっても、みんなが食べられるものを用意し、「おいしいね」と言い合えるように、との願いが込められている。発案したのは女性の校長先生。ある児童がきっかけでした。
その児童には卵アレルギーがあり、卵を使った料理がある日は、用意されたアレルギー対応食しか食べることができず、たとえ卵が使われていない料理でもおかわりはできないことになっている。大好物の揚げパンが出ても、他の子たちがじゃんけんでおかわりする人を決めるのを見ているしかなかった。
環境保護や動物愛護の観点については、あえて子どもたちに積極的に教える機会は作っていない。「必要なカロリーやたんぱく質が動物性のものでなくても十分取れることをまず知ってもらうことが大事。自分だけでなく、周りの人、健康、地球環境などいろいろな条件を考えながら、その日食べるものを自分で選ぶ。主体的に生きられる大人になるための食育だと思う」というのが発案した校長先生の信念なのでしょう。
(朝日新聞GLOBE +から参考)

そんなヴィーガン給食は賛否両論をがうみました。
「他の人が食べるものを尊重し、食べるものを自ら選ぶ大切さを知る、豊かな学びの場になっている」と絶賛する声もある中で、多くの医療者から批判を受けました。
ヴィーガンは「完全菜食主義者」とも呼ばれ、肉・魚・卵・乳製品・蜂蜜も摂りません。医師の間では、十分に注意しないと多くの栄養素が不足しやすいことが知られています。鉄や亜鉛、ビタミンA、ビタミンB2とB12、ビタミンD、DHA、カルシウム、タンパク質などです。
十分に計画されていないヴィーガン食は、炭水化物が大幅に多く、タンパク質が大幅に不足することに加え、食物アレルギーを持つ子も除去食を摂ることによりカルシウムとタンパク質、必須脂肪酸が不足しがちであることを指摘、ヴィーガンと食物アレルギーの同時進行によって問題が複雑化することを説明しています。
また、ヴィーガン食が健康により良いという根拠はなく、むしろ成長期の子どもにとっては前述の栄養素はどれも大事で、特に鉄やビタミンD、カルシウム、タンパク質の不足は困ります。
小児科医は、成長期に鉄欠乏性貧血になりやすいことは常に注意をしていますし、ビタミンD不足によりくる病や骨軟化症が心配です。
体を作っている大事な成長期に、骨や筋肉のもととなるカルシウムとタンパク質は十分に摂らなくてはいけません。と述べています。
(朝日新聞GLOBE+参考)

また実業家の堀江貴文さんがツイッターで、肉や魚など動物食品を一切取らない「ヴィーガン」について私見を述べた。
堀江さんは、東京都内の小学校で2か月に1回「ヴィーガン給食」の提供が始まったという報道を受け「マジでウンコだな」と投稿。
これに対し「2ケ月に1回ならいいのでは?」と意見する投稿があったが、堀江さんは「そうやって舐めてると奴らはどんどん肉食に関与してきますよ。。」とヴィーガンの浸透に警戒心を示した。
「私は別に愛煙家じゃないけど、タバコ吸う人いますごく肩身狭いでしょ?蟻の一穴ってヤツです。私は肉食文化を無くしたくないので些細なことでも声を上げ続けます」と主張した。

そんな賛否両論なヴィーガン給食ですが、個人的には子ごも達が、世界にはいろんな人がいて、いろんな考え方があるという世界の広さや、食事の選択や自由を知り、そこから地球環境問題や工場式農産業に興味を持ち、地球に優しくなってくれたら未来に住む地球上の生物にとって良いのではないのかと考えます。
2月に1度ですし、医療者が批判している栄養不足や偏りもそこまで気にならないのでは無いでしょうか。
みなさんはどうお考えでしょうか?

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